2015年06月05日
玄関先でのこと

「さぬきさん、傘も持たずにどしたん。今日はよっけ雨がふっとるよ。」
「あら、雨がようけふっりょるなぁ。
ちょっと家に帰らんといかんのや~。
あそこの車はうごかんのやろか?」
さぬきさんは、まだ逅里苑に来たばかり。
新しい環境での生活に、そんなにすぐ慣れられるはず、ないですよね。
ショートステイを利用になる経緯も、何かしらの理由により在宅生活が難しくなった時、
本人としては納得できない、または理由も説明できないままに
施設を利用になる方が多いのが現状です。
こんな時、あなたならさぬきさんにどう言いますか?
”歩いていくんはしんどいよ、家族さんが来るまでは、おってみたら?”
”忘れ物はない?一度部屋を見に行ってみる?”
”食事の準備しよるけん、せめて食べて帰ろうよ”
色々考えられますよね。
それは正解かもしれませんし、間違いかもしれません。
私なんかは、”巷は物騒なからな~、さぬきさんのボディーガードするけん、安心してな!”
とか意味の分からないことを言って一緒に歩いていくかもしれません。
時間がなければ、フロアに戻れるように上記に似たようなことを言うかもしれません。
ただ、声をかける時のセリフをいくら考えたとしても、
その方が感じている問題を解決するには至らないのです。
ここに居られない、と思う原因を解消しなければ何も変わりはしないのでしょう。
そんなネガティブなことをちまちま考えていると、奥様方がやってきて、声をかけるのです。
「あんた~、どこいくんな。こっちにきーまい。」
「帰りたいんはわかるけど、よもよも言いながらでも、ゆっくりおったらええんやのに~」
2人に声をかけられると、その言葉に歩み寄ることで応えるさぬきさん。
耳が遠いので聞こえたのかどうかはわかりませんが、心配する心は伝わります。
一緒にフロアに戻って、楽しそうにはなししよること。
安心して居られる方法をあーだこーだと考える私達よりも、
自分と同じ目線で、気にかけてくれる方々の言葉がいかに心に届くのか。
こういうのは、理屈じゃないのかもしれません。必要なのは、共に歩ける仲間です。

・・・余談ですが、以前こだわりで紹介した花がいい感じになっています。
うまいこと、色が変わってとても素敵です

スモークツリーと言って、この時期に花を咲かせる木のようですね。
育てやすいみたいなので、興味がある方、いかがですか?(^0^)

Posted by 守里会 at 17:48│Comments(0)
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